【ネタバレなし】ブライアン・クランストン主演映画「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」あらすじ・感想

ブライアン・クランストンがアカデミー賞候補にもなった、映画「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」。全国公開より一足先に観ることができたので感想書いてみました

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先日行われたスカパーのオンライン試写会、先着500名にめでたく滑り込みできたので、一足早く「トランボ」を観ることができましたー!(3日で3回観たw)。さらにその後 米Amazonでブルーレイも買ったので、これでいつでもサム・ジャクソン(※)が観られる…!
(※上の写真のインコ。超絶カワイイ)

以下、核心に迫るようなネタバレはありませんが、内容にも多少触れてはいるので「何も知らずに観たいんだ!」という方はスルー推奨です。

「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」簡単あらすじ

映画「トランボ」は波乱の人生を送った実在の脚本家、ダルトン・トランボを描いた物語。あらすじはこんな感じです。

第2次世界大戦後のアメリカ。人気脚本家ダルトン・トランボは、その才能を認められハリウッドで成功を収めていたが、共産党党員でもあったため「赤狩り(共産主義者排斥運動)」の格好の標的にされてしまう。聴聞会で「共産主義者か」と問われたトランボは憲法を理由に証言を拒否。すると議会侮辱罪に当たるとして裁判にかけられることになり、最高裁まで戦うも敗訴、ついには刑務所行きに。刑期を終え、家族のもとに戻ってからも仕事はなく、映画界から追放されてしまうトランボ。それでも偽名を使って脚本を書き続け、いつの日かハリウッドの「ブラックリスト」が無意味であることを証明しようと奮闘するが、果たして彼の名前が再びスクリーンに映し出される日は来るのか?

才能と家族の支えだけを頼りに戦う男がアツい!

私は普段、どちらかというと爆発したり血しぶきが飛んだりする映画ばっかり観ていて、こういう実在の人物の物語や家族愛的な物語はあまり多くは観てません。なので、正直「トランボ」もブライアン・クランストンが出ていなかったら観てなかった可能性無限大なんですが、本当に観て良かった。観終わって、「いいもん観たなぁ…」とじんわり思える映画でした。

当然ながら派手なアクションも銃の撃ち合いも全くないんですが、これもガッツリ「戦う男の物語」だなぁと。

不当に虐げられても決して折れず、かといって相手を攻撃することなく(←これ重要)、才能と家族の支えだけを頼りに戦う姿は本当にカッコよかった。最後のトランボの演説もかなりグッときます。あの言葉がこの映画の言いたかった全てだと思います。

「トランボ」は現代アメリカの問題を描いている

映画「トランボ」は「時代の空気」に翻弄される人々を描いていますが、ブライアン・クランストンがこの映画に関するインタビューを受けるたびに「今のアメリカでも(『トランボ』と)同じことが起こっている」と言っていた意味が、よーくわかった気がします。

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インタビューでクランストンは、ほぼ毎回と言っていいほど現在アメリカ大統領選で何かと話題のドナルド・トランプ氏を引き合いに出していました。「トランボ」で迫害されたのは特定の思想(共産主義)ですが、これを人種や国籍、宗教に置き換えると…。常々「メキシコ人は全員強姦魔で犯罪者」「イスラム教徒のアメリカへの入国を禁ずる」などと発言しているトランプさんが驚くほど支持を集めている現代のアメリカでも、「トランボ」の時代と同じようなことが起こっている気がします。

ちなみに「トランボ」がアメリカで公開された際、いわゆる保守系メディアから「共産主義が正しいというのか?」という批判が出たそうです。確かにこの映画には「共産主義とはなんぞや?」という部分がごっそり抜け落ちているんですが、この映画で言いたかったことはそこじゃないと思いますし、暗に「共産主義者を悪く描いていないからダメ」という批判が出る時点で、この映画のテーマとは真逆を行ってるんじゃないかなーとも思います。大丈夫かアメリカ。

笑いどころいっぱい!キャラクターも魅力的

というわけで結構重めのテーマを扱っているんですが、映画は全体的に明るく小気味良く、笑いどころも多々ありました。

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出てくる人出てくる人みな個性的で、ユーモアがあって、特にトランボはじめメインのキャラクターは基本ポジティブで明るい。
何より家族との関係がほのぼのあったかくていい!奥さんも子どもたちも、時にトランボと対立するものの、みんな彼を信じているのがひしひしと伝わってきて、すごく気持ちよく観られます。トランボの奥さんクレオを演じたダイアン・レイン、長女を演じたエル・ファニングは、でしゃばらないながらもすごい存在感でした。

「トランボ」に出てくるキャラクターはほぼ全員(※)実在の人物ですが、とにかくキャラクターが立っていて、俳優カーク・ダグラス(演:ディーン・オゴーマン)やオットー・プレミンジャー監督(演:クリスチャン・ベルケル)、B級映画プロダクション社長のキングさん(演:ジョン・グッドマン)、みんなみんな個性的でカッコいい。特にキングさん!キングさんの見せ場では「よっしゃぁぁぁ!」ってなりました。
(※架空の人物もいます。詳細はトリビア(※ネタバレあり)へ)

敵役のヘッダ・ポッター(演:ヘレン・ミレン)も、凛々しくてお美しくて素敵で、やっぱりユーモアもあって、どこか憎めない。

そしてもちろん、主役のトランボが最強にカッコいい。最初クランストンがウォルターにしか見えないんじゃないかと心配したんですが、開始数分で忘れてました。クランストンじゃなくてトランボになってて、アカデミー賞主演男優賞候補も当然かなと思えるスゴさ。さすがとしか言いようがない。観終わってから改めて、最後のスタッフロールにも流れるダルトン・トランボ氏ご本人の映像(リンク先Youtube)を見ると、クランストンがすごくご本人を研究して、喋り方とか表情とか似せていたんだなあと感心します。

予想より「お話」風味だった

ただ、キャラクターが前向きなところに救われるのは確かなんですが、全体的に苦しい・辛い・暗い・汚いことはあまり描かれておらず、そのせいもあってか良くも悪くも「お話」感があったのは否めないかも。個人的には、例えば同じ時代も描かれている「大統領の執事の涙」と比べて「そんなに困ってない感」がありました(「大統領〜」でも現実はもっと厳しかったと思いますが)。

当時実際に「赤狩り」の犠牲になった人々のその後はかなり悲惨だったようで、自殺したり国外に逃亡した人も少なくなかったようですが、そのあたりはサラッと出てくるだけなので「不当に差別される側の苦しみ」的なものはあまり感じられなかったです。
この辺り好みの分かれるところかも?

とはいえ、これはコメディ作品が多いジェイ・ローチ監督の作風というか(って言い切れるほどジェイ・ローチ作品観てないけど)、意図的に観やすい形に、難しいテーマを明るく軽快に料理してみせたんだろうなーと、素人ながら思います。

…というわけで時代背景とか知らなくても充分楽しめますし(知っていたらより楽しめるとは思いますが)、あらすじだけみると固そうですが全くそんなこともなく、笑いあり感動ありで、最後はじんわり気分が良くなるような素敵な映画でした。最後の演説や、トランボの名(ネタバレ自粛)シーンは涙腺やられます。クランストン補正抜きにしても本当に観て良かった映画です。

映画『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』予告編 – シネマトゥデイ | Youtube

トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」は7月22日より全国ロードショーです。
映画「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」公式サイト

映画「トランボ」に関するトリビアもまとめたので、よかったらどうぞ。
でもネタバレありなので注意!
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