スカイラーを演じたアンナ・ガン、スカイラー嫌いのファンから殺害予告されていた

ブレイキング・バッド スカイラー」と検索すると、日本語でも「むかつく」「嫌い」「クズ」などなど相当キツめの言葉が候補に出てきますが、本国での嫌われ方はさらに壮絶で、スカイラーを演じたアンナ・ガンはなんと殺害予告までされていたようです。

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映画やドラマにはうっとうしい・ムカつくキャラが登場して話を盛り上げてくれますが、そういうキャラクターを演じた俳優さん・女優さんに敵意が向けられることもしばしば。そんな中でもアメリカでのスカイラー = アンナ・ガンの嫌われぶりは桁違いだったようです。

今でもアメリカの「TVドラマの嫌いなキャラクターワースト10」的なランキングにスカイラーが登場することは少なくないですが、放映当時は異様なバッシングがネットを中心に巻き起こり、アンナ・ガンが命の危険を感じるほどだったとか。

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日本でもこの嫌われよう…

アンナ・ガン本人が一連の騒動についての記事を公開

一連の「スカイラー叩き」について、アンナ・ガン本人がNYタイムズに寄稿した「I Have a Character Issue」という手記によると、彼女は「スカイラーが大嫌い」といった類のFacebookページに多くの人が「いいね」をつけていることはもちろん、当初キャラクターに向けられていたマイナス感情が次第に演者である自分に向けられていくのを見て、大変ショックを受けたようです。中には「誰かどこでアンナ・ガンに会えるか教えてくれない?そしたら彼女を殺せるから」と殺害予告とも取れる投稿もあったそうで、「実際に安全対策を講じた」と書いています。

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スカイラー嫌いが集まっていたFacebookページ「I hate Skyler White」と「F**k Skyler White」。現在どちらも削除されています。via WOMEN IN MEDIA: WHY DOES EVERYONE HATE SKYLER? | Jacqueline Moran

また、アンナ・ガンは「ザ・ソプラノズ」のカミラや「マッドメン」のベティを例に挙げ、男性のキャラクターの場合はこういった激しいバッシングが起こらないようだと指摘。スカイラーを嫌う人たちは「強い女性、柔順でない女性が嫌いなのだ」と書いています。「黙って耐えない女性、夫や恋人に反抗するような女性には我慢ならないのでしょうか?」「でも、最終的に私は気づきました。多くの人の『スカイラー嫌い』は私のせいではないと。それよりも、彼ら自身の女性や、妻に対する物の見方に大いに関係があるのです」。

ちなみに、アンナ・ガンの手記より数カ月前に「ブレイキング・バッド」の製作者ヴィンス・ギリガンも「スカイラー・ヘイター」について「誤解を恐れず大雑把に言えば、僕はそういう人たちはミソジニスト(女性を嫌悪する男性)だと思う」とコメントしています。

手記への反響もスゴかった

アンナ・ガンの手記が公開されたのは2013年の夏、ちょうど「ブレイキング・バッド」のシーズン5後半を放映中のことで、反響もかなり大きかったようです。

多くのエンタメ系サイトが「アンナ・ガンがスカイラー・ヘイトに立ち向かった!」「殺害予告されていた!」と取り上げ大いに話題を呼んだため、手記で名指しされたFacebookページはその日のうちに慌てて「免責条項」を追加しました。曰く「私たちはアンナ・ガンがスカイラーではないとわかっています。女優への個人攻撃には反対です云々」といったもの(このページにスクリーンショットあり)。

それでも、もともと「スカイラー・ヘイター」側だった人達からは「スカイラーが嫌いだと性差別主義者ってことか?」「ますますアンナ・ガンが嫌いになった」という声も出たようです。ただしあくまで少数派で、手記への反応の多くは「キャラクターと女優を混同するとは意味不明」といったものでした。当時のRedditなどでの会話を見ても、「スカイラーは大っ嫌いだけど、あれを演じられるアンナ・ガンは素晴らしい」といった意見が多かったようです。私も本当にそう思います。

キャラクターと本人を混同しない人もたくさんいる、というか多くの人はそうだと思うので、ご本人があまりヘイターの声ばかりを真に受けないほうがいいのでは?と思うんですが、何百人もの顔も知らない人たちから「大嫌い」「最低だ」と言われ続けて、さらには「殺してやりたい」とまで言われる立場になったら、そんな呑気なことは言っていられないのかも。

最近でも、ある映画のリメイク版に出演した女優さんが人種差別的なツイートの集中砲火を浴びて、一時Twitterを辞めると宣言したり、別の映画の主演女優が現実の銃犯罪についてコメントしたところ「劇中では銃を撃っていたのに偽善者だ」と炎上したりと、ちょっと信じられないような理由でバッシングされる事例が次々に起こっています(アンナ・ガンの言うとおり、女優さんが標的になることが多いみたいですね)。

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主演映画「Equity」ポスター

上に挙げた女優さん二人は今もSNSにアカウントがありますが、アンナ・ガンはSNSを一切利用していないようです。TwitterにもFacebookにもアカウントはなく、公式サイトさえ見当たりません。かといって、こんな理不尽なバッシングに折れるつもりは全くないようで、彼女が「ブレイキング・バッド」後に主演した映画「Equity(2016年8月現在日本未公開)」では、未だ女性差別が色濃いとされるウォール街で闘う女性を力強く演じています。

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