【悪用】ブレイキング・バッドで描写されている通りにやってもメスは作れない【厳禁】

「ブレイキング・バッド」ではよくも悪くも化学を活用するシーンが多々ありますが、劇中の化学の描写、特に”悪用されそうな化学”の描写は、少しずつ間違いを含んでいることが多いようです。

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赤リンで「神経ガス」は作れないし、ウォルターが使った薬品では人体を溶かすのは困難。物語のキモであるメスの製造工程についても、一から十までウォルターがやっている通りにやってもメスは作れないそうです。

「ブレイキング・バッド」の化学アドバイザーを務めたドナ・ネルソン女史によると、メスを作る方法はひとつではないそうで、劇中のメスの製造場面では、ひとつひとつの工程は実際の作業を再現しているものの、いくつかの方法を混ぜているので、そのとおりに合成してもメスは作れないとのこと。

薬品名とかモロに映っているので「大丈夫なのかなー」と思ってたんですが、そういうことだったんですねー。

大学教授やDEAがアドバイザーとして「ブレイキング・バッド」に参加

ネルソン女史はオクラホマ大学の有機化学の教授。ナショナル・パブリック・ラジオのインタビューによると、「ブレイキング・バッド」のアドバイザーを務めることになったきっかけは、雑誌で製作者ヴィンス・ギリガンのインタビューを読んだことだそうです。アメリカ化学会(American Chemical Society)が発行している雑誌で、ちょうど「ブレイキング・バッド」を撮り始めたところだったギリガンがインタビューに答えていて、ギリガンや他の脚本家に化学の知識がなくネットやウィキペディアを参考にするしかないということ、彼らが専門家からの建設的批判を歓迎していることを知り、興味を覚えて連絡を取ってみたようです。

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シーズン1エピソード1のワンシーン。教室の黒板に書かれている文字はネルソン女史が考えたものがそのまま使われているとのこと。

ネルソン女史は「ブレイキング・バッド」のことを「このドラマはドラッグ市場を美化していない。ウォルターは麻薬に関わってありとあらゆるひどい目に合うけど、それをみて『これこそが私の理想の生き方だ』と思う人はいないと思う」と言っています。

ちなみに「ブレイキング・バッド」の化学アドバイザーはネルソン女史だけでなく、例えばメスラボのシーンに関してはDEAの化学チームがアドバイザーとして参加していたそうです。

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