スタッフが数週間もかけて作った「ラボ・ノート」はゲイル・ワールド全開!

ハンクがウォルターに見せて意見を聞いたゲイル・ベティカーの「ラボ・ノート」。AMC公式サイトでもノートの中身が見られますが、かなーり凝った内容になっています。

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S4E4「厄介な存在」のビデオ・コメンタリーによると、このゲイルの「ラボ・ノート」はプロダクション・デザイナーのマーク・フリーボーン(Mark Freeborn)氏とその友人のアーティストを中心に、多くのスタッフが知恵を寄せあい数週間もかけて作ったのだそうです。製作者ヴィンス・ギリガン曰く「最近のファンは一コマ一コマ観たりするから、できるだけ多くのディテールを加えたかった」とのこと。

せっかくなので細かくしつこく見てみました。

表紙はメタリカのアルバムのオマージュ

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(右)Metallica “Ride the Lightning”

Andrew GaugさんのTumblrによると、別のコメンタリーでスタッフが「ゲイルのラボ・ノートの表紙はヘヴィメタルバンドメタリカのアルバム『ライド・ザ・ライトニング』を参考にした」と発言していたそうです。写真の右がそのメタリカのアルバムカバー。ゲイルさんの普段の音楽の趣味からするとなぜメタリカなのか謎ですが、確かによく似ています。

Roughly 30 Things You May Not Have Known About “Breaking Bad” Season Four | Andrew Gaug
【UPDATE】ブログごと記事がなくなってました…)

ゲイルが描いていた絵は、もちろん詩人ウォルト・ホイットマン(W.W)

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Walt Whitman via Wikimedia
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ゲイルがノートに描いていた人物は、ウォルト・ホイットマン(Walter Whitman)。絵の横にはホイットマンの詩「天文学者の講義を聞いた時(When I Heard the Learn’d Astronomer)」が書かれています。S3E6「追いつめられた二人」でゲイルが初めてウォルターに会った日に諳んじてみせた、あの詩です(実は画面に映るページをよーーく見ると、何箇所か、たぶん三箇所にこの詩が使い回されているようです)。

ちなみに実際にこの絵を描いたのは、脚本家のトーマス・シュノーズ氏だそうです。上手い!

「滿場飛」はゲイルが聴いていた曲のタイトル

ノートの少なくとも二箇所に「滿場飛」という中国語が書いてありますが、これはジェシーがゲイルを襲いに来た時、ゲイルが聴いていた曲のタイトルです。好きな曲だったんだね…。

ノートの隅っこにはパラパラ漫画が

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劇中で映るノートをよーく見ると右上に何やら小さな絵が書いてあるんですが、実はこれはパラパラ漫画。

AMC公式サイトの「Gale Boetticher Case File」ではケトルで水をやった植物が大きく育って花開くまでをパラパラして見られます(ただ、劇中のノートに書かれている絵と完全に同じではないようです)。

ノートに挟んである風刺漫画の作者は「ブレイキング・バッド」のファン

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ノートに挟んであった漫画は、漫画家ゲイリー・ラーソン(Gary Larson)氏の一コマ風刺漫画「The Far Side」。1980年から95年にかけて新聞に連載されていたそうです。核弾頭を触っている科学者の後ろで、別の科学者が紙袋をパーンと破いて驚かそうとしています。

作者のラーソン氏が「ブレイキング・バッド」のファンで、劇中に登場させることを許可してくれたそうです。

ゲイルは共和党のロン・ポールの支持者だった

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このステッカーは2008年のアメリカ大統領選挙で共和党の予備選挙に出馬したロン・ポール氏を応援するもの。

ただ、当然ながらギリガンはコメンタリーで「政治的意図はない」と言っています。「(ゲイルを演じた)デイビット・コスタビルに初めてあった時、彼は『自分は自由主義者だ』と自己紹介したんで、それをキャラクターにも加えたんだ」。

確かにゲイルはウォルターに初めてあった時「僕は自由主義者なんです(I’m definitely a libertarian)」って言っていました。で、なぜロン・ポールなんだろう?と思ったら米掲示板Redditのスレッドによると、ポール氏は「自由主義の顔」なんだそうです。

ゲイルはロハスな人だった

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ゲイルがノートの表紙の裏に貼っていたもう一つのステッカーは、カントリーの大御所歌手ウィリー・ネルソン氏のバイオディーゼル事業のもの。「BioWillie」という会社を立ち上げ、大豆が原料の環境にやさしい燃料を販売しているようです。

他にもノートに「室内で堆肥を作るコツ」や、ビーガン・レシピ(※)もメモしていたところを見ると、ゲイルは環境や自然を大切に考える、いわゆる「ロハス(LOHAS)」な人だったようです。

※ハンクは日本語(吹替・字幕)では「ベジタリアン・スイーツのレシピ」と言っていますが、英語では「It’s a recipe for vegan s’mores」と言っています。ビーガンは菜食主義者(ベジタリアン)の中でもさらに厳格な、動物性の食品を一切摂取しない人たちのこと、スモア(s’mores)はアメリカやカナダの伝統的なお菓子で「焼いたマシュマロとチョコレートの層を2枚のグラハムクラッカーで挟んで作る(Wikipdeia)」のだそうです。やだ美味しそう。

ノートには他にも「リカンベント自転車こんなのトップ10」「(ニューメキシコ州の)サンディア山脈ハイキング チェックリスト」「中国 12日間の旅プラン」などが書かれていました。人生楽しんでますねー。「ラボ・ノート」という割に、ラボやメスについての記述はそれほど多くなかったようです。

このノートのレプリカが売られている

ゲイルさんの趣味や考え方が詰まっているこのノート、実際手にしたい!という熱心なファンが少なからずいるようで、ノートのレプリカがいくつも売られています。例えばebayとかebayとかebayとかで。どれも「ミニチュア」なのは、たぶんAMC公式サイトの画像を拝借したもののノートサイズに印刷できるほどの解像度がなかったからだと思われます。約8000円で売り切れてたりするのもありますが、いいのかコレ。

劇中で使用された実物のノートがどうなったのかは、探してみたけどわかりませんでした。オークションにも出品されていないようです。

同じくゲイルさん所有でのちに重要な役割をするホイットマンの本「草の葉」はオークションに出品されてなんと65,500ドル(約740万円!)で落札されているので、このノートだったらもっと高値がつくんじゃないかなーと思います。

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