最終話「フェリーナ」のエンディングで流れた印象的な曲、「ベイビー・ブルー(Baby Blue)」。放送直後の一晩で5,000回もダウンロードされ、その後売り上げはなんと3,000%も跳ね上がったそうです。
Badfinger (アルバム「Straight Up」のカバー)
「ベイビー・ブルー」は、ブリティッシュ・ロックバンド「バッドフィンガー(Badfinger)」が1972年にリリースしたアルバム「Straight Up」に収録されているラブソング。「ブレイキング・バッド」を最後まで観終わった方なら絶対覚えてる曲ですね。
これが流れた時点では号泣していて歌詞見てなかったw Badfinger – Baby Blue (1972) | Youtube
エピソード内でかかっていたのは以下の部分です。
Guess I got what I deserveKept you waiting there, too long my loveAll that time, without a wordDidn’t know you’d think, that I’d forget, or I’d regretThe special love I have for youMy baby blueAll the days became so longDid you really think I’d do you wrongDixie, when I let you goThought you’d realize, I would know, I would showThe special love I have for you
My baby blue
(※歌詞に「Dixie」とあるのは、「バッド・フィンガー」のシンガー ピート・ハム(Pete Ham)の元彼女、ディキシーのこと。)
作中では次のように訳されてました。
自業自得ってやつさ 君のことを放ったらかしにして ロクに言葉もかけなかっただから君に誤解された 君と出会ったことを 後悔しているとだけど 君への愛は本物だ ベイビー・ブルー毎日がとても長く感じる 君にはすまないと思ってる別れの時が来た 君ならいつか 分かってくれるだろう 僕の愛を
君への愛は本物だ ベイビー・ブルー
「ベイビー・ブルー」はリリース当時もビルボードチャートでTop20を記録していましたが、リリースから40年経った「ブレイキング・バッド」ファイナル放送直後、ラストの曲は誰の何という曲だったのか?がこぞって記事になり、iTunesでは一晩に5,000回もダウンロードされた結果、いきなりTop25に躍り出ました。それまで最高でも1週間で1,000ダウンロード以下だったという売上は、3,000%もアップしたとのこと。
また、音楽ストリーミングサービスSpotifyでは、放送後の11時間だけで従来の9,000%(!)ものアクセスを記録したそうです。
長く続いた「ブレイキング・バッド」の最後を締めくくる曲として「ベイビー・ブルー」を選んだのは、製作者ヴィンス・ギリガンその人だそうです。ただ、当初音楽担当チームは反対したそうで、何曲もの違う「ブルー」の曲を探してきてはプレゼンしたんですが、ギリガンが首を縦に振らなかったとか。
ミュージック・スーパーバイザーのトーマス・ゴルビッチ(Thomas Golubić)氏は最初「ただの風変わりなラブソングじゃないか…」と思ったそうです。でも実際にラストシーンでこの曲をかけてみたら「ああ!わかった!」と納得したとのこと。「これはウォルターの化学への、そして彼の『製品』への愛の物語で、科学者としての偉大なる勝利だったんだ」。
ギリガンも、ここで歌われている「愛」はウォルターのブルー・メスへの愛を表現していると言っています。彼曰く、ウォルターは亡くなった時「(ロード・オブ・ザ・リングでいうところの)”愛しい人”と一緒に居たんだ」。
余談ですが、マーティン・スコセッシ監督の「ディパーテッド(2006)」でもこの曲が使用されています。
さらに余談、というか誰得情報ですが、この記事を書くのに何度も「ベイビー・ブルー」を聴いたせいで、私のまぶたが腫れてエラいことになりました。