「ブレイキング・バッド」シーズン1エピソード5に関するFAQ。タイトルの意味や、よく質問・議論されている点についてまとめてみました。
タイトル「Gray Matter」の意味は?
ウォルターとシュワルツ夫妻(エリオット・シュワルツ & グレッチェン・シュワルツ)が大学院在籍中に設立した会社の名前「グレイマター・テクノロジー社」のこと。会社名の由来はウォルター・ホワイトの白とシュワルツ(schwartz = ドイツ語で黒)の間を取ってグレーにした、とウォルター自身が語っています。”Gray matter”は脳や脊髄の灰白質を指し、口語では「頭脳」という意味合いもあるようです。
エリック・クラプトンって誰?
誕生日パーティで、エリオットはプレゼントとしてエリック・クラプトンのギターをもらっています。エリック・クラプトン(Eric Clapton)は1960年代から今に至るまで活躍しているイギリスの著名ミュージシャンで、 「ローリング・ストーン」誌が選ぶ「歴史上最も偉大な100人のギタリスト」にも何度か選ばれています。数多くのヒット曲を生み出していますが、なかでも渡米後に大ヒットした「レイラ」が有名。
エリオットは誕生日に超有名人のクラプトンからサインとメッセージ付きのギター(ストラトキャスター = エレキ・ギターの代表格)を贈られるほどの「セレブ」ということになります。
なぜウォルターはエリオットの申し出を断ったの?
プライド。それに尽きます。
エリオットはウォルターにグレイマターで一緒に働かないかと申し出ましたが、もしこの時エリオットがウォルターのがんのことを知らず、純粋に力を借りたいと思って誘ったのであれば、もしかしたらウォルターは承諾したかもしれません。が、実際にはエリオットはウォルターのがんのことを承知で「最高の保険も用意する」と言っています。これを聞いたウォルターは会社に来てほしいというのは建前で実は「治療費等の面倒をみたい」と言われたのだと気づき、「施し」を受けることは彼のプライドが許さなかったため断ったのだと思います。
この申し出を受ければ違法なメスの製造を続ける必要もないのに、です。
製作者のヴィンス・ギリガンは、このエピソードの最後にウォルターがジェシーのところに行って「(メスを)作るか(Wanna Cook?)」と言った時が、彼が本当の意味で悪の道に入った瞬間だと思う、と言っています。それまでにも既にメス製造や殺人などの犯罪を犯していますが、それはある意味必要に迫られてのことでした。が、今回は自分のプライドのためにあえて選択した。ギリガン曰く「ウォルターは『誰かに面倒を見てもらうようでは男じゃない』と思ったんだろうけど、男なら受け取るべきだった!家族のためにも」。本当にそうするべきだったのに…。そうしてたら「ブレイキング・バッド」終わっちゃうんですけども…。(ギリガンのインタビューはこちら→Vulture)
このエピソードの時点では物語はまだ始まったばかりですが、今後もウォルターのプライドの高さゆえに物事が悪い方に悪い方に転がっていく場面が繰り返し出てきます。