「ベター・コール・ソウル」s1e4「ヒーロー」の映画・ドラマのオマージュネタをまとめてみました。ジミーは本当にクラシックな映画が好きみたいです。
ハワードに対抗(嫌がらせ)するため看板広告を出したジミーですが、看板に掲載する写真を撮る前、間借りしているネイル・サロンで髪をセットしてもらうシーンで「トップの毛をスパルタカスのトニー・カーティス風。入浴シーンの時のね」と言っています。
「スパルタカス」は、ローマに囚われ奴隷となったトラキア人 スパルタカスの反乱を描いた1960年の映画。監督はスタンリー・キューブリックです。エピソード3の「シャイニング」といい、制作陣はキューブリックのファンなんでしょうか。
Spartacus Official Trailer #1 – Kirk Douglas, Laurence Olivier Movie (1960) HD | Youtube
ジミーが言ってるトニー・カーティスは、スパルタカスを兄のように慕う奴隷のアントナイナス役(上の動画の1:40頃登場)。「入浴シーン」はたぶんこの動画のシーン…かな?
余談ですが、「スパルタカス」は2010年にTVドラマにもなっています。結構エログロ(家族と一緒に観るのはムリ)なせいか、そのことばかり話題になってる気がしますが、私的にはかなーり面白かったです。日本ではNetflixで見られます(トレイラーはこちら)。
エピソード冒頭のフラッシュ・バックで、ジミーがカモを連れてマルコが待機している路地にやってくるシーン。
男が拾ったマルコの(偽の)財布に入っていた免許証の名前は「ヘンリー・ゴンドーフ(Henry Gondorff)」となっています。この名前、ポール・ニューマンとロバート・レッドフォードが共演した1973年の名作「スティング」で、ポール・ニューマンが演じた伝説の詐欺師と同じ名前です。ジミーのカモにされた人がクラシック映画のファンだったら「ん?」と思ったかも。
「スティング」は、詐欺師の若者(レッドフォード)が伝説的詐欺師ヘンリー(ニューマン)と協力し、師匠を殺したギャングに得意のイカサマを使って復讐するまでを描くコメディ映画。
古い映画ながら全編軽快で小粋で、私も大好きな作品です。初めて観たときはラストの(ネタバレ自粛)に本当にビックリしました。
ケトルマン一家の件でジミーに借りができたから、と、キムがジミーを映画&食事に誘うシーン。「土曜日に『遊星からの物体X』が上映されるみたい。あなたカート・ラッセル好きでしょ」と留守電に残しています。
Kim: Anyway, uh, “The Thing” is playing downtown on Saturday. Thought you might be up for some Kurt Russell action.
「遊星からの物体X」は1982年のSFホラー映画。どんな生き物にも擬態・同化できる宇宙から来た何か(The Thing)が南極観測隊の隊員に紛れ込んでしまい、誰が「それ」なのかわからないまま、孤立した環境の中お互い疑心暗鬼に陥り…という話。「それ」がかなりエグいというかグロテスクな形状になったりするので、デートに適した作品とは言い難いです。
ジミーの広告看板の件で、判事の前でハワードとジミーが話し合う調停のシーン。ハワードが「判事、これは鏡の前に立っているかのようにお互い手を振り合うコメディですよ(吹替版)」「まるでマルクス兄弟の鏡のパントマイムのギャグです(字幕版)」と言ってますが、これは1933年の映画「吾輩はカモである」のワンシーンのことみたいです。
Howard: Your honor, I feel like I’m in the mirror routine with Groucho Marx, Like we should be standing, waving our arms at each other.
The Mirror Scene – Duck Soup (7/10) Movie CLIP (1933) HD | Youtube
これがそのシーン。日本の昔のコントでも見たような見ないような…。
「我輩はカモである」はコメディ俳優のマルクス兄弟4人が出演する映画。ハワードが言っているグルーチョ・マルクス(日本語には訳されていない)は三男のようです。
この映画、架空の国を舞台に兄弟が国盗り合戦を繰り広げる…というストーリーで、ナンセンス・ギャグ満載のコメディながら政治色が強く、ファシズムを風刺していたためムッソリーニ時代のイタリアでは上映禁止になったそうです。