S5E9「汚れた金」で、ハンクがウォルターに詰め寄る緊迫のシーン。これはテッドの転倒シーンと同じく、映画「ゴッドファーザー」のオマージュのようです。
エピソードのラスト近くで、ついにハンクとウォルターが対峙。ハンクが無言で車庫のシャッターを下ろした時点で「あああああ…」ってなりましたよね。
ハンクはウォルターを殴った後「It was you. All along, it was you!(お前か!お前だったのか!)」と叫び、ウォルターの頭を抱えるようにしながら怒りをぶつけますが、実は映画「ゴッドファーザー PART II」に良く似たシーンがありました。
1974年に公開されたフランシス・フォード・コッポラ監督の名作「ゴッドファーザー PART II」。イタリア系マフィア「コルレオーネ・ファミリー」のドンであるマイケルが、自分を裏切ったのは兄フレドだったと知りそれを本人に告げるシーンで、マイケルはフレドの頭を抱え「I know it was you, Fred.」と言っています。
“I know it was you, Fredo.” | Youtube It was you. All along, it was you! Hank Punches Walter | Breaking Bad S05E09 “Blood Money” | Youtube
2つのシーン、セリフも動作も完全一致とは言えないものの、良く似ていますね。そう思ったファンは多かったようで、放映後「ゴッドファーザーだ!」と話題になったようです(Reddit、Instagram他)。「(このオマージュがあることで)ハンクがいかに葛藤しているかわかる。ハンクは本当にウォルターのことを大切に思ってたんだ。(「ゴッドファーザー」の)マイケル同様、裏切られた気持ちが強いんだよね」と語るファンも。
ハンクを演じたディーン・ノリス本人も「ゴッドファーザー」の影響を認めています。このシーンを撮影中、製作者ヴィンス・ギリガンに「『お前だったのか』って言う時ウォルターの後頭部を掴んだらどうだろう?」と言われ、「これは『ゴッドファーザー PART II』(のあのシーン)なんだと気付いた」のだそうです。
このシーンの舞台裏についてはこちらのトリビア↓もどうぞ。
関連トリビア:ウォルターのセリフ「下手に探らないことだ(Tread Lightly)」は2013年の流行語になった
ギリガンは「ゴッドファーザー」の大ファンだそうで、このエピソード冒頭にもオマージュらしきものがあります。
ウォルターが荒れ果てた自宅から出てくると、隣人のキャロルがウォルターの姿に驚いて立ち尽くしています。キャロルが落とした袋からはオレンジが…。
「ゴッドファーザー」では誰かが死んだり殺されたりするシーンの前後にオレンジが登場することが多々あるんですが、このキャロルが落としたオレンジも「ゴッドファーザー」へのラブコールのようです。
怯えるキャロルさん
「ゴッドファーザー」のワンシーン。via Darthmaz314