シーズン3エピソード1「メイベル」の追跡装置絡みのシーンで「マイクが何やってたのかよくわからなかった」という人もいたようです。私は途中ウロウロしながらなんとかついていけましたが、いまいち自信がなかったので頭を整理するために一連の流れをまとめてみました。追跡装置は全部で4つ出てきます。
以下、S3E1「メイベル」のネタバレがあります。
前シーズン最終エピソード「引き金」でメキシコカルテル関係者でトゥコの叔父ヘクター・サラマンカの殺害を試みたマイクでしたが、いざという時に自分の車のクラクションが鳴り、ワイパーには「DON’T(やめろ)」のメモが。周りには誰もいなかったものの、マイクは見張られていると確信します。
一目散に現場から逃げるマイク(マイクには珍しく怯えた表情なのがまた…)。ある程度離れてから車をチェックしますが、追跡装置のようなものは見つかりません。
この時マイクは自分がいつも乗っている車(クライスラー)とは違う車(シボレー・カプリス)に乗っています。
このシーンでマイクの背後遠くに一瞬雷が落ちますが、これ、CGで付け足したのかと思いきや偶然の産物のようです。このシーンをどうやって撮ったのか聞かれたキム役のレイ・シーホーン曰く「これがアルバカーキの砂漠の(変わりやすい)天気で撮影する難しさであり素晴らしさ。流れに任せれば、こんな魔法のようなことが起こるの」(Twitter)。
廃品売り場へ行き、徹底的に車を分解するマイク。バラバラにしてしまいますが、やっぱり装置は見つからず…。
マイク役のジョナサン・バンクスは撮影前のライティングテスト以外にスタントを使っていないそうなので、この解体シーン、かなり時間がかかったと思うんですが、全てバンクス氏本人がやっているようです。大変すぎぃ!(こちらもレイ・シーホーンのTwitterより)。
また、このシーンの廃品売り場はアルバカーキに実在する中古の自動車部品店(FIVE J’S AUTO PARTS)で、「ブレイキング・バッド」で出てきた業者さん(オールド・ジョーがいる店)とは違うようです(たぶん)。
諦めて車を捨てて帰ろうとタクシーを待っていた時、売り場の給油口のキャップを見てひらめくマイク。車に戻って確認すると…遂に装置を発見(これが追跡装置A)。
解体した車と装置Aは廃品売り場に放置して、タクシーで自宅に戻るマイク。普段乗っている車(クライスラー)の給油口のキャップを取り外して確認すると、そこにもやはり追跡装置が…(これが装置B)。
余談ですが、マイクは廃品売り場でもタクシーを降りたときも、ヘクターを狙ったライフルを持っていなかったようです。何処かに隠したのかな…?
正体不明の追跡者に疑われないよう、装置の製品番号をメモしてから車に戻し、そのままいつも通り駐車場の仕事に出勤。…と見せかけて深夜3時半ごろ、キャップ(と装置B)を職場に残し(一晩ずっとそこにいると見せかけるため)、裏の仕事を仲介してくれる例の獣医師を呼び出して仕掛けられたのと同じ型の装置を手配するよう依頼します。
ちなみにこの装置、製品番号(MTSAR-RF 65)で調べても何も出てこなかったんですが、Vultureによると「軍用レベルのトラッカー」だそうです。
追跡装置といえば、「ブレイキング・バッド」でハンクがガスの車に仕掛けていましたが、あの装置は回収しないと位置情報が確認できませんでした。闇ルートではなく普通にお店で買えるレベルのものだったので、機能的にイマイチだったのかも。
新しい装置Cを手に入れたマイクは、装置のモニターに「バッテリー不足」の表示があることに気づきます。そこで彼の車に付いたままの装置Bを持ち帰り、新しい装置Cと入替えて車に戻します。これで、マイクの車に付いているのは、マイクが買ったばかりの新しい、バッテリーも十分な装置ということになります。
次にマイクは回収した装置Bをラジオにつないでバッテリーを消耗させます。おかげで夜にはバッテリーがほとんどゼロに。どこかでモニターを見ているであろう相手から見ると、「バッテリー不足」の表示が出たあと位置情報が消えたはず。こうすれば、相手が装置を交換に来るとマイクは考えたわけです。不要になった装置Bはゴミ箱へ。
ピスタチオを食べながら追跡者が現れるのをじっと待つマイク。何時間か後、期待通りに怪しい人物が登場!装置Cを回収し、新しい装置Dに入れ替えて去っていきます。その人物は自分が持ち帰ったのはバッテリー切れの古い装置Bだと思っていますが、実際はマイクが仕掛けたバッテリー満タンの新しい装置C。
仕掛けた装置が作動しているのを確認し、銃を手に出かけるマイク。ただ、マイクの車にはついさっき入替えられた新しい装置Dが付いているので、そのまま車を動かすと追跡がバレてしまうため、これを外して自宅の溝に置き、謎の人物を追跡します。
…という流れだったみたいです。マイクが一人で作業しているシーンはほとんどセリフがなかったこともあり、よく見ていないと何をしているのかわかりにくかったかも。でもあえて視聴者を信じて説明的なセリフや行動をさせないところがすごく「ベター・コール・ソウル」だなぁ、カッコいいなぁぁぁ!と改めて思ったシークエンスでした。