S5E15「ニューハンプシャー」で、グレイマター社に関するコラムの話題が出てきますが、実はこのコラム、実際にニューヨーク・タイムズで読むことができます。このエピソードに名前だけ登場した記者が、放映後に物語の設定に合わせて執筆したようです。

「ブレイキング・バッド」に自分の名前が出てきて感動→架空のコラムを執筆
エピソード終盤、バーでウォルターが観ていたエリオット&グレッチェン夫妻が出ているTV番組で、司会者(こちらも実在の人物。後述)が二人に「ニューヨーク・タイムズのロス・ソーキン(Andrew Ross Sorkin)記者はコラムでこう指摘しています」と言っていますが、名前を挙げられたソーキン記者はニューヨーク・タイムズに所属する実在のコラムニスト兼編集者です。
ご本人は自分の名前が登場することは知らなかったようで、放映後に喜びのツイート。
※注:製作者のヴィンス・ギリガンとピーター・グールド宛にツイートしていますが、ギリガンのアカウントは偽物です(ギリガンはSNSのアカウントを持っていない)。.@VinceGilligan & @petergould Thanks for the shout-out on #breakingbad. Awesome! You just gave me a column idea…
— Andrew Ross Sorkin (@andrewrsorkin) 2013年9月23日
「コラムのアイデアが浮かんだよ」とツイートしたソーキン記者は、放映の翌日、なんと物語の設定そのままにグレイマター社に関するコラムを執筆、ニューヨーク・タイムズのWebサイトで公開しました。こちら↓で実際に読むことができます。
Breaking Bad: The Gray Matter of Charity | New York Times
「シュワルツ夫妻の寄付に対してホワイトハウス麻薬統制政策局が『夫妻は偉大な博愛主義者だ』と賞賛した」「ウォール街では『ハイゼンベルク』絡みではと疑いの声が上がっている」「証券取引委員会の捜査が入るかどうかは不明」などなど、経済記者ならではのリアルな記事になっています。エリオットがエリック・クラプトンからギターをもらったことや、ホワイト夫妻がエリオットの誕生日パーティに出席したことなど、シーズン1のネタが出てくるのも嬉しい。
記事の最初に「架空のコラムからの抜粋」、最後にも「架空のパロディです」と念押ししてあるものの、こんなコラムを掲載しちゃうニューヨーク・タイムズ、カッコいいです。
余談ですが、ソーキン記者はウォール街が舞台の金融ドラマ「ビリオンズ」のクリエイター兼プロデューサーでもあるそうです。「ビリオンズ」にはゲイルを演じたデイビット・コスタビル氏も出演しています。
TV番組も司会者も本物
また、このTV番組も実際に放映されている長寿番組「Charlie Rose(チャーリー・ローズ・ショー)」を想定しているようで、番組ホストでベテランインタビューアーのチャーリー・ローズ氏ご本人が登場しています。


「Charlie Rose」にはブレイキング・バッドのメンバー4人(ブライアン・クランストン、アーロン・ポール、アンナ・ガン、ヴィンス・ギリガン)が出演したこともあり、現在も公式サイトで観ることができます。