「ブレイキング・バッド」製作者のヴィンス・ギリガンは、大人気ドラマ「Xファイル」に関わったおかげで多くのことを学んだとたびたび語っていますが、そのせいか「ブレイキング・バッド」には多くの「Xファイル」ネタ(イースター・エッグ)が存在します。

「Xファイル」はアメリカでは1993年から2002年にかけて放映され人気を博し、2016年1月にはリブート版(ミニ・シリーズ)がスタートしました。
このミニ・シリーズにはヴィンス・ギリガンは関わっていませんが(「ベター・コール・ソウル」撮影中のため)、今後も「Xファイル」シリーズが続くようであれば、ぜひ参加したいと米Yahoo!のインタビューに答えています。
では以下、どれもわりと細かいネタばかりですが、「ブレイキング・バッド」の「Xファイル」ネタをどうぞ。
エミリオが吸っているタバコの銘柄は「Xファイル」の”肺ガン男”と同じ

「ブレイキング・バッド」の最初のエピソード「化学教師ウォルター・ホワイト」でエミリオが吸っているタバコの銘柄は「モーリー(Morley)」という架空のブランドですが、このタバコ、「Xファイル」最大の悪役スモーキング・マン(肺ガン男)が吸っているのと同じ銘柄。
(…というのが海外のファンの間では定説(?)のようですが、「ブレイキング・バッド」では銘柄がはっきり見えない…というか私にはマルボロに見えます…。詳細は以下のトリビアをどうぞ)
関連トリビア:エミリオが捨てたタバコ「モーリー」は米ドラマで頻繁に登場する架空ブランド(か?)
ちなみに「ブレイキング・バッド」S1E4「家族への告知」の原題「Cancer Man」もスモーキング・マンの別名「肺ガン男」が由来のようです。
「三角フラスコ」は「Xファイル」シーズン1の最終エピソードのタイトル

同じくS1E1「化学教師ウォルター・ホワイト」から、ウォルターが学校から盗んできた器材をジェシーに見せるシーン。ウォルターが「ビーカーや三角フラスコ」と言うんですが、これは「Xファイル」のシーズン1最終エピソードのタイトル「三角フラスコ(The Erlenmeyer Flask)」に由来する内輪ネタと言われています。
ゲイルのじゃがいも時計の時間が…

「Xファイル」では、モルダーの誕生日が10月13日なのを始め、10と13という数字が頻繁に登場するそうです(参考:1013 | X-Files Wiki)。
これは「Xファイル」の製作総指揮者クリス・カーター氏の誕生日(10月13日)や彼の会社の名前(Ten Thirteen Productions)に由来するようなんですが、「ブレイキング・バッド」S4E1「ガスの怒り」では、ゲイル・ベティカーの部屋にある時計の時間が「10:13」になっています。このエピソードのビデオ・コメンタリーによると、カーター氏へのオマージュとして、わざわざデジタル加工を施して「10:13」にしたのだとか。
ちなみにS3E13「向けられた銃口」でもこの時計が映りますが、このときは「8:19」になっていました。
シーズン5でパトリックが車を借りたレンタカー屋は…
シーズン5のマイルドネタバレあり!
マイクが「危険手当」を預けていた銀行は、Xファイルにも登場する
シーズン5のマイルドネタバレあり!

マイクの弁護士ダン・ワックスバーガーが「危険手当」を預けていたのは「クラドック・マリーン銀行(Cradock Marine Bank)」ですが、「Xファイル」ではモルダーがこの銀行(の別の支店)に口座を持っていました。
「Xファイル」でこの銀行が最初に登場するエピソード(S6E14「月曜の朝」)の脚本は、ヴィンス・ギリガンと「ブレイキング・バッド」でも脚本を書いているジョン・シバンです。
「ブレイキング・バッド」のキャストが「Xファイル」に多数登場
以下はイースター・エッグとはちょっと違うんですが、「ブレイキング・バッド」のキャストの何人かが「Xファイル」にも登場しているのでまとめてみました。各登場エピソードのAmazonビデオへのリンクを貼っておきます(レンタルで150円〜)ので、未見の方は一度観てみては?
ブライアン・クランストン(ウォルター)

ウォルターを演じたブライアン・クランストンは「迷走」というエピソードに登場。
クランストンの演じた役柄はモルダーを人質にして逃げる怪しい男なんですが、境遇を知るとだんだん彼が可哀想になってきます。
このエピソードの脚本を書いたのもヴィンス・ギリガン。クランストンはこの時の演技のおかげで「ブレイキング・バッド」の主役を掴んだようです。
アーロン・ポール(ジェシー)

当時22歳のアーロン・ポールはエピソード「蠅の王」に出演。ガキ大将でいじめっ子のウィンキー役を演じています。エピソード冒頭のシーンはすごーくアホっぽいですw。
このエピソードの脚本は、「ブレイキング・バッド」や「ベター・コール・ソウル」で脚本を書いているトーマス・シュノーズ。
ディーン・ノリス(ハンク)

警官や軍人を演じることが多いディーン・ノリスは、やっぱり「Xファイル」でもそんな役。エピソード「幼虫」で、謎の伝染病に侵された怪しい刑務所を管理下に置く連邦保安局員を演じています。
このエピソードの放映が1995年(「ブレイキング・バッド」より10年以上前)なので、ノリスも若ーい!です。
レイモンド・クルス(トゥコ)

トゥコさん(レイモンド・クルス)は、「カビ」というエピソードで殺人犯と疑われるメキシコ人青年エラディオを演じています。結構かわいそうな役どころ(エラディオって…ドン・エラディオ?)。
ちなみにこのエピソードの脚本もジョン・シバン氏。
ダニー・トレホ(トルトゥーガ)

「レッドラム」というエピソードにはトルトゥーガもといダニー・トレホが登場します。エピソードの後半にやっと登場&出演時間もそれほど長くはないものの、重要な役を演じています。
ジャックや武器商人ローソンも
その他、トッドの叔父ジャック(マイケル・ボーウェン)がS8E8「透視(Surekill)」に、ウォルターに銃を売った武器商人のローソン(ジム・ビーヴァー)もS6E21「トリップ(Field Trip)」に出演しています。
他にもマイクの苗字である「エルマントラウト」という名前が「Xファイル」に出てくるとか、さらに細かいネタもあるようです。気になる方は以下ネタ元をどうぞ。